車両接近検知システム「カークル」をパワーアップします
~ LoRaで従来品の“空白地帯”をカバーし、活用の幅が広がります!~
エコモット株式会社(本社:北海道札幌市、代表取締役 入澤 拓也、以下「エコモット」)は、車両接近検知システム「カークル」において、センサーとパトランプ間の通信規格として新たに「LoRaタイプ」を加えた「カークルロング」を、新製品として2023年6月1日よりリリースいたします。
従来タイプでは、センサー設置場所(車両検知場所)とパトランプ作動場所(警告場所)に十分な見通し距離を確保できない、LTE回線を利用したタイプではモバイル通信網の圏外では使用できない、といった課題がありました。新製品は不感地帯での使用を最大限可能にした点が大きな特長です。 近年増加傾向にあるトンネル工事現場や山間部の道路改良工事等での需要を見込んでいます。
■接近車両検知システム「カークル」について
カークルは、主に見通しの悪い建設現場の出入口付近に設置し、接近してくる車両をセンサーで検知して回転灯や電光掲示板で注意を促し、出会い頭の事故防止や交通誘導員の負担軽減を図るソリューションとして活用されています。 既存タイプとして「特定小電力無線タイプ」と「LTEタイプ」(カスタマイズ製品)をリリースしていますが、それぞれの通信規格の特徴として「特定小電力無線タイプ」は車両検知場所と警告場所の見通しが悪い現場だと、通信可能距離が大幅に制限され、接近車両が到達するまでに十分な時間を確保できない点が課題でした。また、「LTEタイプ」は見通しや通信距離に左右されず使用できる一方、携帯電話と同じモバイル通信可能なエリアでしか機能しないため、不感地帯(電波の届かない地域)では使用できないという制限がありました。
■「カークルロング」について
カークルロングの通信規格であるLoRaはLPWA(低消費電力広域無線通信)規格の一つで、好条件でも最大500m程度とされる特定小電力無線と比べ、見通し確保下では約2kmの通信(当社調べ)が可能であることに加えて、LTEと違って基地局通信に依存しないことから、不感地帯でも使用が見込まれます。設置距離を広く確保できることから、接近車両の検知から到達までに十分な時間を確保できるため、従来のカークルでは活用しにくかった、山中の狭隘道路やトンネル工事、道路改良工事等の現場などを中心に需要が見込まれます。
■離合管理にも一役
山中の現場では大量の廃土が出るため、大型の運搬車両が多く行き交いますが、十分な道路整備がされておらず、対向車両があると離合(すれ違い)できないほどの狭い道路が多いことが課題となっています。設置される待避所(離合区間)にカークルを設置すれば、対向車両をあらかじめ察知できるため、狭い区間ですれ違う危険性を回避でき、交通誘導員の省人化や生産性の向上、安全確保等に寄与することが見込まれます。